藍色の雨
灰泥軽茶

傘をさして外に出れば

藍色の灯火が揺れている

深海魚のまなこの奥に眠る

遥か太古の記憶が

生温かい雨粒と一緒にこめかみを撫で

息がとまる

藍色の雨が深く私を染めていく

時間の流れは不確かである

私は少しずつ普遍的な何かに溶かされていき

藍色の灯火が

水玉模様のようにたくさんと揺れているが

傘を打つ雨の音だけが

淡々と何気ない語らいとなり

ここにいるよと告げている














自由詩 藍色の雨 Copyright 灰泥軽茶 2013-05-01 22:29:02
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