最後のプレゼント
文字綴り屋 ひじり

今日はなんだかとても不思議な気分だ
昨日まであんなに寂しくて悲しかったのに
僕のとなりにぽっかりと空いたスペース
それが妙に微笑ましいんだ
くっきりと君の面影が浮かぶ
いつも君が使っていたシャンプーの匂いがする
僕の右手には君の小さな左手が
ねぇ可笑しいだろう
君はここにはいないのに
君がいるはずもないのに
はっきりと君の存在を感じるんだ

これが君が僕へくれる最後のプレゼントなのかい?
穏やかで温かくてすごく気持ちがいい
心が張り裂けそうだったあの夜からは
こんな日を迎えられるとは思わなかった

だからかな
ゆっくりと深呼吸をしたい気分だ
深く深く息を吸い込んで
静かに息を吐き出す
段々と遅くなっていく鼓動が
僕の心地良さを物語っているようだ
そう段々と徐々に
呼吸と共に僕は解放されていく




自由詩 最後のプレゼント Copyright 文字綴り屋 ひじり 2013-05-01 22:14:01
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