メリーゴーラウンド
かかり



真夜中に

回るプラスチックの白馬たち

振り返ることなく

たてがみを立てて前へ進む

くるくる回る

それはとてもまじめで

見ていると苦しくなる

どこかへ向かっていると

信じているのなら

先には何もないよと教えてしまいそうだけど

もしかしたら

わかっているのかもしれない

それでいいのかもしれない

なにかあるのかもしれない

誰もかもが帰ってしまったのに

回るプラスチックの白馬たち

世界を止めるような

銀色のサイレンが街を染めれば

もう回らなくていいのに

それはきっと

望みじゃない

上に下に

前に後ろに

それは身をかわすように

さっそうとしているから

疲れているわけじゃない

きっと

今夜なら

白馬の背に乗って

夢のような街の夜空に駆け出せる





自由詩 メリーゴーラウンド Copyright かかり 2013-04-30 02:08:25
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