高所恐怖症
アラガイs


おそるおそる下を覗いています
建物の数だけ見渡す世界がちっぽけなものに見えてきました
ちっぽけな暮らしのなかで夢はいつも大きくふくらんで浮かびます
汚いアパートですね
レースに隠れたゼラニウムが薄く見えるでしょう
階段には二匹の小鳥が巣作りをしているの
彫像と勘違いした反射物は束ねたワイヤーの塗装の輝きでしたよ
しかし足元のぐらつきが気になりますね
強い風圧も気になります
土台に何か手抜き工事があるのでは?
余計な考えが波の渦を巻いて心配になってきました
今世紀までには終わらない未来都市計画
ここまで登ってきたら後には引き返せない
手足が痺れて振り向けないからですよ
もっとも夜になれば僕は墜ちるでしょう
登ってきた理由を冷静には考えられない
下から見上げていた物はただの鋼だった
抗菌の鋼があなたの姿で胸を突き刺しただけ
冷や汗にも慣れてきた
礎石に埋まった好事家たちの秘密
土葬から這い出た風土病
わき上がる高齢者たちの声
渡り鳥は耐性を撒き散らし僕はフリー
今週も注目はロリポップ
歩いているのはフィジカルな人々ね
地上を支配しているのは亡霊でしょう
あなた、
、あなたは飛び降りて自殺を考えている
わたしはここでずっと立ちつくすだけ
誇大ぎょっ、の鱗が邪魔な晴れた日には
/臆病者/臆病者/臆病者
洒落にもならない帽子を被ってる
眺めれますか?
さあ連休は明けたよ
地上の予報ではまた雨にかわるところ 。










自由詩 高所恐怖症 Copyright アラガイs 2013-04-28 13:30:09
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