風の中の鳥のように
梅昆布茶
風はいつだって吹いているんだ
君は生まれた街を忘れてはいないか
水はいつだって洗い流してゆく
僕たちは心の地肌を隠してはいないか
この世界は様々な角度に切り取られ
柔らかな多面体を維持して
猿のネオテニーとも言われる僕ら
社会とか家族
職場や人間関係
政治や経済や
タバコ屋のおばあちゃんや
今鑑別所で更生中の後輩とか
くだらない酒を飲んでは
馬鹿っぱなしで盛り上がる仲間とか
僕を動かしているすべてが世界だとおもう
鳥は風を得て空をゆく
様々な風の表情を読みながら
みづからの血流を感じながら
コントロールできない自分に
失速しながら
それでも風をさがす
生まれてからこのかた
ずっとそうやって生きてきた
これからもたぶん
既存の枠にはまああまりこだわらずに
風に従って
飛ぼうとはおもっているのだが