藍いろのセーター
凍湖(とおこ)

春の日の午後
かわいた洗濯もの
藍いろのセーターを抱きしめたとき
はっとした。

ぼくの、鼻腔のおく、ちくちくとはじける火花
目のおく、熱がひろがる。
あなたの肩の、匂いがしたものだから。

この前、いっしょに昼食をたべたとき
着ていた服
に、あなたが隠れていた。
洗剤のうずをくぐっても。


もしかしたら、もしかしたら、
あなたの匂いと、おもっていたのは、ぼくの匂いで
けれど、あなたのいないときには、嗅いだことがない、
ものだから、
知らぬまに
ぼくとあなたは、すこし、混じっていたのかもしれない。
なので、それは、もしかしたら、
とっても あい 。

などと、おもいながら 「とっても あい」を、畳む。


自由詩 藍いろのセーター Copyright 凍湖(とおこ) 2013-04-04 17:30:44
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