天上の娼婦
和田カマリ

20年前死んだ中二の弟が、女連れで俺の部屋に遊びに来た
いきなり目の前で、濃厚なKISSをするとSEXを始めた
「お前・・やばいぜ!」
双子だった俺には、弟を喜ばせる言葉が手に取るように分かった
調子に乗った奴は、後背位で挿入したまま身体をずらすと
結合部を誇示する為に、犬のション便みたいに女の片足を持ち上げた
その部分は、ただ金色に輝いていた
弟のみすぼらしい祖チンも、延べ棒のように輝いていて
黄金の蜜壷の中を金粉を撒き散らしながら、出たり入ったりしていた

振り返っていた女と目が合った
わざとらしくハアハア言いながらも、俺にウィンクしている
全部演技のようだ
「どうだ、どうだ兄貴!」
弟は一生懸命ピストンしていた

羨ましくて堪らなかったのだろう
俺のファーストキス
俺のファーストファック
みんな草葉の陰でみつめていたのだろう
それで成仏できずに彷徨っていたのか?
基本同じなのに何も変わらないのに
生きてるってだけで、兄貴だけずるいぜ
みたいな

「お前、そんな美女と出来て羨ましいな。」
俺が言うと弟はスーッと泪を流した
「兄貴は俺の事が羨ましいのか?」
「ああ、裏山、マンモス裏山だよ!」

すると、弟の身体は宙に浮かび、全身金色に輝きパッと消えてしまった

その後、部屋には俺と女だけが残り
自然な成り行きで愛し合っていた



自由詩 天上の娼婦 Copyright 和田カマリ 2013-04-04 17:26:27
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