淀み
小川麻由美

約束通り 同じ橋に辿り着いた

花冷えのお陰で まだ

ソメイヨシノは競っていた

所々 吹き出した新緑が 目に痛く

未来への想像の刺激となる

川辺は穏やかな戦場

はらりと落ちた花びらの一部は

川にある流木に行き先を遮られ

まさかと思うほど寄り集まり

色を増す または

淀みで最期を迎える

花びらは色が減退する

再度 訪れ 看取ろうと

心動かされる 光景であった


自由詩 淀み Copyright 小川麻由美 2013-04-01 22:51:26
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