貴方の、ごめんね。
世江
貴方は、沢山苦しんだ。
あれだけ笑って過ごした分を
簡単に取り戻せるくらい沢山、
苦しんだ。
悩んで、考えて、嵌って、泣いて…
気付かない振りして、逃げて。
弱さを押し殺して、他人を傷付けた。
それでも貴方は、苦しんだ。
それが自分の犯した罪の重さだって、確信したから。
“そんな歌を作りたい。”
突然言った、貴方。
“どうして?”と、問えば、
“俺の一番大切な人を傷付けた、っていう罪を償いたい。”って、呟いた。
“そんなことしないでいいんだよ?”
分かってるから。
小さく頷いた貴方に、安堵と不安が
一緒になって押し寄せる。
ただ、それでも構わない。
貴方の想いが知りたい。