残酷なほど優しい1丁のGUN。
元親 ミッド

知れば知るほど、悲しくなって

知れば知るほど、怖くなる。

あなたはそう言うけれど

あたしはあなたが何をどれだけ

知っているのかを知らないわ。



彷徨える魂は、砕け散る鉛の弾丸。

引き金引けば、大輪の真紅の華よ。

其れは咲いた瞬間に散華する。



あなたは「もしも」って言うけれど

あたしに「もしも」はどこにもないわ。

ここにあるのは、短くなったシガレット、

それと熱くて冷たい1丁のGUNだけだから。



眉間に突き付けてみて

こめかみに突き付けてみて

顎下に突き付けてみて

そうよあなた結構うまいわ。

センスがあるんじゃないかしら。



どうせだから、そのTVを消す前に

もうちょっと楽しむのも悪くない。

「もしも」じゃなくて、リアルな肉の喜びを。

あら、どうして泣くの?

何がそんなに悲しいの?



こんなはずじゃなかっただなんて

言うだけ野暮ってもんでしょう?

原因があって、過程があって、

結果があるだけなんだから。



さぁ、そのトリガーを引いてちょうだい。

そろそろイキたくなっちゃった。

残念なのは自分では見れないことよ。

大輪の真紅の華を。

咲くと同時に散る華を。



あなたは「もしも」って言うけれど

あたしに「もしも」はどこにもないわ。

ここにあるのは、短くなったシガレット、

それと残酷なほど優しい1丁のGUNだけだから。


自由詩 残酷なほど優しい1丁のGUN。 Copyright 元親 ミッド 2013-03-20 16:33:10
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