誰も幸福を奪ってはいけない
梅昆布茶
なぜなら奪うものは最終的に奪われる
不幸のうえに成り立つ幸福などありはしないのだよ
これは友人のこくはくなのだが
彼女はぼくに聞いたかつてちょっと好きだった人だが
彼女は僕の後輩と浮気をして彼の妻のこころを傷めたのだ
彼女は聞いた僕に
幸せってなんでしょうね
僕は明快に答えるそれはあなたのやっていることの真逆だってね
もちろん言いはしなかったが
かれの
方が本当はもっとしんどかった
知り合いが女と逃げて行方不明
奥さんと子供4人のこされてアパートは追い出され助けても助けてもお金が間に合わなくて
離婚 が成立しないから生活保護も無
かれの方も苦しくてじゃあ子供4人育てて死のうかと思ったのだ
あと20年かれの寿命はそんなもんだろう
そしたら今2歳の空君と夏樹ちゃんが成人するさ
ちょうどいい社会への恩返しだってね
長女は今度中学次女はこんど小学校
ランドセルと制服を買ってあげた
長女の真奈美ちゃんにはこれからの基礎教養と思って中古のパソコンでインターネット環境を
デジカメも買ってあげたっけ
クラスの仲間外れにならないように
最近はパソコン無いだけでバカにされるらしいの
そんな時闘病中の母が亡くなって
部屋も空いてるから一緒に住もうか
だって彼女達は生活できてなかったから
友人にも相談して結論を出したらしい
4月から子供達と一緒にくらすと
次女の桃香ちゃんは決まっていつもかれに抱っこなのだが
くすぐったいけれども気持ちが嬉しかったいう
だってかれがかえるとき時すねるらしいのだ
実子は男3にんでもう成人しているが親父には寄り付きもしない
だから女の子の愛らしさが眩しかったらしい
ただ本当は彼らの母親を愛してはいなかった
蓋を開けてみるとすれっからしの貧しいこころの醜い女であったこと
様々な論理の綻びが見え始めて
黒鷺に咥えられた子供達の悲鳴がよぎる
でもどうしようも無いのだ
彼らは親を選べない
かれは祈った
彼らの母が自分の黒さに気づく様に
それしか彼女の救いないことに気づく様にってね
かれには祈り願うことしか残されていなかった
だって
子ども達との別れが世界を覆っていたのだもの