大量殺戮時代
atsuchan69
蟻たち、潰れろ。
そうやって踏んづけても
蟻たちは行進を止めない
畜生め。きっと人間だって多すぎる
戦争だ、
疫病だ、
地震だ、
飢餓だ、
ひび割れたアトミックパワーが
熱帯雨林をつぶしてこしらえた勉強机に
一晩中、煌々と明かりを灯し、
夜の子供たちは偉大なる滅びの言葉を復唱する
ふたつの眼にふたつの手をあて
誰だって信じたくないこの場所を見ようともしない
ここがどこかって?
ふん、ここは地獄の一丁目さ
ちょっとくらいなら、大丈夫
ちょっとくらいなら、死なない
ちょっとくらいなら、許される
ちょっとくらいなら、殺してしまえ
そのうち、ちょっとくらいが
あともうすこしになって、
あともうすこしが、やがて‥‥
ああ、もう「ぜんぶいっちゃいな!」になって
潰れろ。
そうやって踏んづけられても
踏まれても、踏まれても、
ぼくたち哀れな人間たちは行進を止めない