爆発お父さん
平瀬たかのり

 ぼんっ

 お父さんさあ
 そのコトバはやめなさいって怒るから
 言わないようにしてるけど
 我慢できないよわたし
 言っちゃうからね

 ウザイんだけどマジで

 思い出したよ前さ、四人に増えた時もさ
 今日と同じで
 お母さん婦人会の日帰り旅行で出かけた後だったよね
 やめてくんないかな
 こうやって二人きりになった時
 ヒトリムスメの気を引こうとするの

 事故じゃないよね違うよねわざとだよね
 だって見てたもんちゃんと
 わたしがイスに座るの見計らってるの その瞬間
 ニチャッ
 って笑ったの 
 ちゃんと見てたもんわたし

 あーあー
 わたしにお父さんこびりついちゃってるよ

 顔を洗って制服着替えて(ほんとめんどくさい)
 家を出るとき言ってやったんだ

 「このハゲチャビン」

 お父さんの残骸が
 何かぷんすか言ってるみたいだったけど
 無視してドアをドバンと閉めた

 待ち合わせ場所に慌てて行くと
 いつものように千恵が待ってて

 おはよーヨッチ遅かったね

 ニチャッ

 わたしもう今日は学校休む



自由詩 爆発お父さん Copyright 平瀬たかのり 2013-03-11 10:28:27
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
お父さんと洋子ちゃん