砂の街
灰泥軽茶

頭からすっぽりと

覆面をした人たちが歩いている

何十年か前には

こんな恰好をした人たちはいなかったのに

今では当たり前になっている

街は砂で埋もれている

身体の中に蓄積された砂は

関節を曲げるとこっちからあっちへ

流れて行くのがよくわかる

今日も砂でかすむ街

幻灯機で映しだされる

ぼんやり光が

全てのものを曖昧にし

今にも崩れてゆきそうな砂の街



自由詩 砂の街 Copyright 灰泥軽茶 2013-03-09 19:10:50
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