ロクエヒロアキ

炎が燃えたまま
つめたくなった
もう
ぼくたちの
さようならの頃合

出会ったのは
不思議な夢のほとりで
よくもまあ
ぼくたち
ふりはじめの雨よりも細い絲を
必死でたぐりよせあい
それから
何度も
何度も
何度も

かなしみのあまりに
ぼくは林檎をにぎりつぶしてしまう
そのしずくすら引用して
ひとりになったぼくは泣くだろう

何度も
何度も
何度も

ありがとうの灯台
いつでもきみの航路を照らす
ぼくは
水平線に向けて
(あるいはその涯までも)
必死で手を伸ばしつづけるだろう

それでも
付箋だらけのおしまいを
キツツキが啄んで
いずれはすべてが殻になる。


自由詩Copyright ロクエヒロアキ 2013-03-05 00:08:45
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