朝食
そらの珊瑚


まっさらな白い紙に
一篇の詩を書きつけ
それを食す

奥歯でかみしめていけば
罫線はよじれ
句読点が記号に戻っていく
口腔内の温度で意味の糊付けが剥がされ
構築された言葉はゆるりと分裂を始め
わたしの唾液と混ざり合い
離乳食のように攪拌され
半流体となって
やさしげに
のどを落ちていく

あとは かすかに残る
インクの苦味を
舌先で弄ぶ

密やかな朝食の時間






自由詩 朝食 Copyright そらの珊瑚 2013-02-28 08:08:31
notebook Home 戻る