雪うさぎ。
元親 ミッド




1月の曇天は、この田舎町に

たくさんの雪うさぎを放ちます。

最近は、昔ほどは多くはないけど

それでも今年も雪うさぎが放たれました。



雪うさぎたちは、放たれた当初は

その数の多さから、わがもの顔で

民家の屋根と言わず、塀と言わず、

どこかしこにもいて、

白く、もこもこと群れていました。

彼らが本物のウサギと異なる点は、

ピョンピョンと飛び跳ねないことでしょうか。



やがて野犬に捕食でもされたのでしょう

2月に入ると、ぐっと数を減らし

あちらこちらにある小さな物影で

じっと息を忍ばせて、ひっそりと

生息するようになっていました。



そうして2月も下旬にさしかかると

彼らはどこへやらと旅立っていくのです。

雪うさぎって、渡り鳥なんですよ。

知ってました?



だからうさぎって1羽、2羽って数えるらしいよ。


自由詩 雪うさぎ。 Copyright 元親 ミッド 2013-02-21 23:49:17
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