かくしんはん
オオカミ

幾何学を、なぞりました
隙間にきみがいないかと探したけれど
隙間なんてさいしょから どこにもなかった

堀のうえをつま先であるいていたとき
それは降り注ぎ わたしを焼き尽くしたのです
未来なんて あっというま
明日十七歳になるはずだったわたしは
世界に弾かれて あっというま
隙間なんてさいしょから どこにもなかった
あの舞台  飛び降りたきみの背中に  幾何学
あんた 鯨になるのね なんて おもわず言ったけれど
海へのちず  渡しわすれてしまったよ  雨はまだとおい



くじら  きっとわたしを迎えにきては  くれない



自由詩 かくしんはん Copyright オオカミ 2004-12-24 05:20:44
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