醜いひよこ
オキ



草原に、親鶏を中心にして、

黄色い雛がちょこまかと駆けている。

これ以上、親鶏から離れて行かない

境界というものがあって、

雛は親鶏という恒星の

衛星になっている。

時に、不吉な影がよぎったりすると、

さっとばかり

親鶏の翼の下へ殺到する。


たまに、逆の軌道を描いて、

親鶏の反対側へ

飛出して行く雛があるが、

それは醜いあひるの子であろう。

この子を養うのはもう、

親鶏ではなく、神だ。





自由詩 醜いひよこ Copyright オキ 2013-02-19 20:22:22
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