ハッピーエンドに眠らせて
月形半分子

図書館の

古い本の最初のページに

白い骨と鉛筆で書いてみる

なんて事はない

恋愛小説の始まりに


少し読み進み

骨を包む新聞紙を取って来て

と鉛筆で書いてみる

別に恋愛小説が

退屈な訳ではないけれど


真ん中あたりまできて

スコップは?

と鉛筆で書いてみる

ラブシーンはやっぱり素敵


後半をすぎて

ここに穴を掘って!

と鉛筆で書いてみる

恋愛小説は泥沼状態


最後のページに

さぁ、この穴にお入り

と青いインクで書いてみる

恋愛小説はハッピーエンド

素敵なハッピーエンド


解説を破り捨てて

埋葬許可証を提出する


静かな私の夜






自由詩 ハッピーエンドに眠らせて Copyright 月形半分子 2013-02-17 00:59:26
notebook Home 戻る