乳首がキューン
花形新次

私の亡骸は
私にとってさえ
特別なものではないから
海に捨ててくれなんて
言ったって
しょうがない

今のうちに
自分の皮膚に
触れておきたいと思っても
私には安っぽい
付属物が多すぎて
直に触れることは
もう出来ないような気がする

かなしい
と泣くのは
恐らくは
かなしくない人で
本当にかなしい人は
薄ら笑いさえ浮かべるでしょう
知らない人は
知らなかったことを
幸運とすら思わないでしょう

死ぬことの意味を失ったときから
生きることの興味も失せてしまった
消えてなくなるなら
そう、今かとも思う

私の亡骸は
誰にとっても
腐りゆく有機物の
塊でしかないから
空から撒いて欲しい
と言ったって
しょうがない













自由詩 乳首がキューン Copyright 花形新次 2013-02-14 17:42:03
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