星を転がす少年  Ver.3
まーつん

 静かな寝息を立てる
 緑の大地の上を
 少年の影が横切る
 
 手元に押すのは 星の赤ん坊
 草の上を 雪だるまのように転がして

 地面から伝わってくるのは
 全ての命が見ている夢
 ミルクのように吸い上げて
 星の赤ん坊は ころころ 
 ころころと 大きくなる

 後に残した轍には
 光る苔が緑に瞬く

 星の赤子は
 夢いっぱいに膨らむと
 やがて 少年の手元を離れて

 ひろい夜空に 舞いあがっていく
 新しい家族の一員として
 星の海に 迎え入れられるために

 それを見上げる少年
 さようならと


 手を振ることもなく










自由詩 星を転がす少年  Ver.3 Copyright まーつん 2013-02-11 17:59:23
notebook Home 戻る