メランコリックな午後
kauzak

雨が降り出しそうだ
湿気が高くて汗が滲む

君は刺繍をしている
憑りつかれたように
黙々と針を動かしている

時計だけが
雄弁に時を刻んでいる午後

右肘の古傷が疼いている
僕には何もすることがない
肘の痛みに囚われるばかりで


飛翔なんてできないことを
実感してしまったのは
いつだったろう

現実が身体に染み込んで
僕と切り離せなくなって
夢は夢でしかなくなったのは


雨が降り出したようだ
君が慌てて窓を閉める

僕もつられて席を立つけど
するべきことが何もない


自由詩 メランコリックな午後 Copyright kauzak 2013-02-10 01:37:34
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