掌の上の弥次郎兵衛と壊れた鳩時計
subaru★

折れない筈の
芯の上に立ち
折れない筈の
心の平衡感覚を保つ
泰然自若の筈の
聴衆が

右へ左へと
弥次郎兵衛に誘われて
激しく揺れる

鳩が
似合わない声で
咽び泣く

壊れた振り子は
唐突に時を告げる

行ったり来たり

心切れるまで
鳩は咽び泣く


自由詩 掌の上の弥次郎兵衛と壊れた鳩時計 Copyright subaru★ 2013-01-29 14:08:05
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