君の海馬
藤鈴呼

もしも 私に もっと時間が 有ったなら
生きる 全ての時間を 紡ぐことに 費やすんだ
そんなことを 思っていた

仕事を辞めて 時間が出来て
真っ先に 実行したのは ドライビング

帰る時間も 場所も 気にせずに
空腹と 心身の痛みを伴って 走り続けた

其処に 何が 有ったろう
底には 何が 溜まった だろう

遅刻する青年は 告げる
正門の内側に 寮が有る 安心感で

つい 扉を開けるのに
時間が掛かるのだ、と

人間は 切羽詰まった方が
実力を 発揮出来たりも するモンだから

クソ長い列車内で
車窓の風景も眺めずに 眠かけする者 有れば

単語帳を 食べられる位に 引っくり返し
丸暗記する 文武両道タイプも 有ろうもん

辞書 一頁 暗記する旅に 出掛ければ 良い
語句が デカければ デカイ程

ペラリ と 捲る 音も
パクリ と 喰らふ 音も
迫力が 有るってえな もんで

食べてしまったら
胃の中から
ほじくり出す訳には 行かぬから

どうやったって 君の海馬は
活性化する 筈なのサ

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自由詩 君の海馬 Copyright 藤鈴呼 2013-01-29 00:07:34
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