何を 思おう
藤鈴呼

感情が 動く夜には
自らの 血液を 見詰める

動く姿を
直接 眺められないのが
とても残念と

カテーテルの細さと
赤い糸の 丈夫さを
ゆっくりと 比べたりなんかして
見上げるのは 首の 上部

対角線に 彩られた豆を
ぷちり と 潰す

何時も 彼女からは
血の ニオイが した

感情が 動く波に 彩られ
幾つも 幾つも
噛み砕いた 錠剤が 証拠

会話の影に 見え隠れする
生きようとする 意思

耳鳴りに 負けぬように
歩もうとする 意志

あのね、悔しかったの
そっと 微笑めば
手のひらの 疼きが
トクン と 頷くのでしょう

生命線の 途中から
ひん曲がった 中間地点で
うふふ と 描いてる

何かの 文字を 描いてる
読めないけれど
心で 感じて と
呟くように

この 固い 石が
転がって 浪間に揉まれ
最後の河に
辿り着いた 瞬間に
何を 思おう

何を 思おう

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自由詩 何を 思おう Copyright 藤鈴呼 2013-01-26 14:54:47
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