珊瑚の小径(エッセイ)
そらの珊瑚

【つぶつぶとうがらし】

 このタイトルが、イコール「粒々辛苦」の振り仮名だと思う人がいたら、その人は私の同級生の○○くんかもしれない。

 そう、小学生(たぶん6年生くらい)の時、国語の書き取りの答案にこう書いた、あ、な、た! ですよ。
 その時、私は彼の自由なイマジネイションにいたく感動してしまった。爆笑、そして完敗や! &軽く嫉妬。

「りゅうりゅうしんく」と正解を書いた私のなんてつまらないイマジネイション(笑)
点数が全てではない、と学んだ思い出。(点数が全て、という時ももちろんあると思う)

 人生は、時に「りゅうりゅうしんく」時に「つぶつぶとうがらし」なんだよね、たぶん。つらい時の最大の友は笑いだったし。


【マザーズライン】

 母から娘へ、そしてまた娘へと受け継がれていくものを「マザーズライン」と呼ぶそう。

 ちょっとステキな言葉じゃない?(こういう言葉は大好物) なので忘れないようにここへ記しておこう。

(小説のネタにもなりそうなので)

 代表的なものは、着物や宝石かな。モノがガラクタにならず、きっとアンティークとして生きていくのだと思う。そこにはモノガタリが存在する。

 祖母までだったら、会ったことがあるという人が多いと思うけど、曾祖母となるとどうだろう?記憶にあるという人はそういないんじゃないかな。(私も曾祖母は写真だけの記憶)
 会ったことのない自分とつながっている人に思いを馳せることができるモノ、きっと。

 肌に絹のつややかさを感じ、耳たぶ、もしくは薬指にひんやりとした温度を感じる時に。
 もちろん受け継がれているものは、見えないものってこともある。
 今を生きている人、全ての人に、それはあるんだろう。

 ところで「ファザーズライン」ってあるのだろうか?

 マザーズラインがすごく個人的な雰囲気がするのに、ファザーズラインというと公なソレが漂う。あっファミリーラインに近いかな。家計図とかね。
 もちろん、うちにはございません。


【思いこみ】

 向田邦子のエッセイ「夜中の薔薇」はシューベルトの唄「わらべはみ〜た〜り 野なかのば〜ら」の聞き間違い(夜なか→野なか)として有名であるが、誰しもそんな経験のひとつやふたつあるのでは?

 私の場合は某有名痛み止めの名称を微妙に間違えていた。

 何十年に渡って薬局で「バッファリン下さい」と堂々と言い続けてきたのだった。

 バッファリンでなく、バファリン。その間違いを正してくれたのは何十年の間にただ一人。感謝!

 指摘されなければ、たぶん死ぬまでそう言い続けていただろう。
(まあ、それでもそんなに不都合なことはないであろうが)

 それにしても、小さな「ッ」がないだけで、すいぶん落ち着いた雰囲気であるなあ。
 子供が大人に成長した感じ。出世魚ならぬ出世薬(笑)
        


散文(批評随筆小説等) 珊瑚の小径(エッセイ) Copyright そらの珊瑚 2013-01-20 15:42:20
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