大学受験狂詩曲
鵜飼千代子




センター試験初日



豪華弁当を作り見送った
仕事中も気になる





あっちゅを学童に迎えに行って帰宅すると、
予備校から電話



「わたしは今仕事から帰ったのですが、
アッキーはまだ帰宅していないようです。
何かあったのでしょうか」





「どうだった?」
「滑り止め、**外語大学だっけ。英語出来なかった。」
「今から間に合う、センター試験使える大学さがしてみるね」
「英語と国語で点取れないとキツイ」



自己採点では
英語 こんなもんでしょう
国語 こんなもんでしょう
世界史 世界には羽ばたけない?(笑)
倫理政経 いいんじゃない?



という感じで
ゲーマーのアッキーもそこそこ頑張りました



しかし、それはそれ。
受験は容赦ない



滑り止めでも
お母さんが憧れた
神戸の女子大より偏差値高いよ



「バカ大学」上等。



どっか入って
大学生活堪能して





お父さんもお母さんも
公務員として働きながら
夜間で大学出たから





太子堂ポテトチップス。




イケイケGo!Go!
中学の頃、神田のZ会進学教室に通っていた

「アウェイ」と
塾の前のビルの駐車場で
お弁当のおにぎりを食べたと言った





国語の先生が
「アッキーそろそろ起きましょう」
と、
授業でのテストの答案に書いてくれた



高校卒業してもまだ起きない(笑)



シュガーのモーリが亡くなった産院で
同じようなアクシデントの中で生まれ

まだ母子ともに生きている
わたしたち親子は
命の拾い物をしたのだろう





結婚にかっこがつく
詩の仲間と鎌倉で合評会をした時



お母さんは、
江の島で気分が悪くなり
霊的な感覚のある人に除霊してもらったり、


夕焼けの中、
お母さんの肩車で歌を歌ったね





ファミレスでの合評会
ちっともじっとしていないアッキー



3才だったかな



江の島の公衆便所に連れて行ってくれたS先生

ちっとも帰って来ないから見に行ったら
トイレの前で睨み合っていた



「出ないならいいんです!」
と、
強姦されかけた息子を取り戻すかのように
抱き上げてみんなのところに帰ったけれど、



前に会った時に、電車で眠っていて、おしっこでちゃったんだ

床を流れていく
不思議な水をふたりで眺めていた





合評会の難しいお話の最中、アッキーはちっともじっとしていなかったけれど

「よく来た」から
Kさんがおもちゃを買ってくれた
ファミレスのキャッシャー近くにある
楽しいおもちゃをじっと弄っていたから



江ノ電に乗っている間、買ってもらったジュースの自動販売機のおもちゃで、ずっと遊んでもらったね
「冷徹」なKさんが
「子供をあやす」シーンが意外だった
ずっと見ていた





楽々大学に行かせる経済状況ではないんだよ

だけど「大学生活」にはかけがえのない出会いがあると思うから、後少し頑張れ





アッキーはおぼえていないと思うけれど、江の島で、「本物」と言った人たちが、遠く見守っているから





アッキー
起きて





自由詩 大学受験狂詩曲 Copyright 鵜飼千代子 2013-01-20 00:12:55
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