マヨラー
あおば



あなたが
ほんとうに
マヨネーズを
好きだとしたら

貴女が明日
迷い込むのは
迷子の世話する
児童相談所ですね

あなたは
可愛い子を
相談なんぼで
空売するなんて
カラス天狗みたい
ぐてんぐてんに酩酊
ジグザグ山道で転んで
燃え尽きてお腹が空いた
あなた達の朝飯前の遊びは
ゲルニカ風の絨毯爆撃ごっこ
炊き立ての白いご飯に糸引きの
納豆に海苔とマヨネーズを練った
口当たり良いメニューでランデブー
大賑わいの戒厳令下ビーチレストラン

雅な
常連の
あなたは
満足そうに
ペロリ平らげ
あっけらかんと
感情を誤魔化して
明日も来るからねと
アーカイックスマイル
テーブルマナーも優等生
なので、鳥瞰できる光景は
蹂躙し尽くすのが親切だよと
勘定高い目玉がクチャクチャと
音立てて噛んでいる古臭いマナー
を守って新解釈すら唱えようとする
のさ

だから
だからさ

良い子が
待っている
あの良い街角も
黄色いマヨラーに
占拠されたらしいよ
残虐に破壊尽くされて
逃げ損ねて痛てて痛てて
痛い
いたいよ
遺体
鉄柱のバラバラ遺体

目に突き刺さり
たまらず
クニャリと背骨を折り曲げて
蹲る

今朝咲き始めたばかりの
桃色スズラン灯からは
裸電球が落っこちて
ボンボンと破裂し
フィラメントも
粉微塵に砕け
光らない
禿頭

男の子たち

欲のない
夜になると
世慣れた
サラダオイルも迷うほど
真っ暗になり
剛胆なストーカーだって
怖がって近づけないほど
食欲旺盛な始末書を抱きかかえ
警察に行こうよ
行こうよと
喧しく泣き叫ぶ
マヨラー天国の奴隷となっている
だろう

天国といえば

大昔から
ふっくらとした
白い雲の上で
無邪気に遊んでいる
迷子たちは

いつ
羽を毟られるのだろうね






自由詩 マヨラー Copyright あおば 2004-12-22 00:22:14
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