夜の淵
Mélodie

泣き出しそうな夜の淵

思い出すのはきみの声

少し掠れた低い声も

ひっくり返って照れた声も

不思議な宇宙を繋げるように

それは少しずれていて

可笑しくて柔らかくて大切なのです

真綿のように締め上げるのです

人はそれを恋と呼ぶのでしょうか

それとも憧れと呼ぶのでしょうか

どうでもいいと強がって

子供のように欲しがるばかり

もはやこれは嫉妬です

ぼくには行けない宇宙の向こう

流れるように消えてしまう

泣き出しそうな夜の淵

きみを探しに声をあげます

メイデイメイデイ

おいてかないで

これは本当に恋ですか


自由詩 夜の淵 Copyright Mélodie 2013-01-18 02:57:30
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