雪の日に
梅昆布茶



雪なんて当たり前だった幼い頃

道南の辺境で借家の玄関の硝子戸を開ければ

一階はすべて雪の壁だったこと

なにせ長万部が唯一町の体裁をそなえたようなところで

物流の届かないそこで

僕の妹は生まれてすぐ死んだ

母自体がすでに栄養失調だったが


でもそこで北の海とたまにひぐまも出る山と鮭が僅かに登る小さな川が
僕の世界の原風景だと思っている


お上品な首都圏とかいうものや
羽田発の空の便は軒並み欠航なのだ

良いと悪いとはべつにしてそれがある意味文明化だとも思うし異論はない
ただ捨ててしまおうとしているものの中には
大切なものがなかったかと聞いて見たいだけだ

イノベーションは必要だと思うが
僕たちは列島改造論当時の国民ではない
すでに建設とは
何かをすべて破壊してその上に見かけ上あたらしい物を
乗っけるだけではないことを実感しているはずだ

ヨーロッパやアメリカを追っかけて走ってきた
極東の少国民達の現状を認識して欲しいのだ

結果論だし自分も加担してきたのだけれど

でも少しでもよい方向に修正してゆくしかないのだ

そして世界を自分を変えようとするならば
詩も変わってゆかなければならないのだと思う

その立場では詩壇も時にバリアーになる気もするのだ

詩集を出したら僕は詩人になれるのかあるいは詩人と
規定されてしまうのか

僕はある意味人にインパクトをあたえるものこそが詩の要素であり
看板はどうでも
それを表現できる人が詩人との友と思っている

そして詩人を称するならば
その責任を言葉を生む人間として
負わなければならない

でもこれは僕の思いであって
現代詩フォーラムはもっともっと幅広いはず
そうでなければおそらく存続しないのかもしれないが

僕がここのあえて言わないが毒舌の先輩たちが好きなのも
彼等がきちんと感情の法則にのっとって
過激で失礼な言葉を駆使していること

必然性があるならいいんだ
そういったことなんだが
だいたいそのての人は本当は
とっても優しい

いま雪の首都圏からノーマルタイヤでツルツル滑りながら帰って来た
午後4時に出てたった五件が
ちょっと仮眠したけど朝の四時半だ

でも大好きなジャクソンブラウンのdvdをきいて
のこってたブラックニッカを飲んで寝てしまおうと思う

夕方からまた仕事だ










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自由詩 雪の日に Copyright 梅昆布茶 2013-01-15 11:56:33
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