最後のラッパ ver.2.0
2012


コンビニの袋とかお菓子の食べかすとか
丸めるだけ丸め込んでどっちゃり捨てて
どうにかこうにか部屋の掃除もするのだけれど
ばらばら散らばるいろんな感情のおさまりも悪くて
少しもきれいにならない

これから先のことだって
もっと別の、違ったふうな生き方がしたいと思うばかりで
今いるところから少しも身動きとれない

僕らはもうほとんど封じ込められてるんだ

僕らはいつのまにか管理社会の申し子
選択肢が与えられている割にはしっかりレールが組まれていて
あながちそれが不快な訳でもないよう世の中出来てる
そこそこおいしくて安くて、栄養価に乏しい食べ物が
今ではもう大好きになっている


ああ母さん あなたから受け継いだ骨がすかすかになっていく
ああ父さん あなたから受け継いだ肉がぶくぶくになっていく






最愛の方々よ
あなた方がまだゴンドワナ大陸だった頃
私はオケアノスの海に溶けたアミノ酸スープだった
まだ見たことのないあなた方に会おうとして
無数の気泡がいのちを象ろうとしていた毎日
昼も夜も溶け合い  月がやたらにでかく

無機物から有機物へ     

やがて収縮し、結合し、凝固して
ただ生きたいと願う かたまりがうまれた

大昔の残滓も今では石になって
アンモナイトみたいに先祖の墓石として夢に浮かんでいる
冷たい海の底で  日差し半端ないヒマラヤの一隅で
いつの時代でも宇宙の一隅にというのは同じで
細胞の隅々にまで 皆同じ記憶を宿している



南の極に浮かぶ歓喜星から北の極に浮かぶ歓喜星へ
60億から100億
60兆から0
0の中に満々た無量大数はその先の無量大数まで 
組み合わせ爆発のお姉さんはこの世の全てを愛している


あーでもない こーでもない


生まれてきたことやいろんなことがどうでもよくなって
どうしようもないことやどうでもいいことがとてもいい思い出になっている

きみと同じ記憶を持っていることが 何だかとてもうれしい
何人かの子供達がよつばを見つけて
ただうれしくってはしゃぎだすかけだす


愛しい名前を呼ぶ時の声


最近 よく昔を思い出す



帰ろう 帰るべき家に帰ろう

帰るべき家


家族と過ごした  帰るべき家に






自由詩 最後のラッパ ver.2.0 Copyright 2012 2013-01-11 23:25:44
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