仮想オーバードーズ
はなもとあお

薬を飲んで
目を開けたら
帰って来て
発見し
どうすることもできずに
兄たちの帰りを待ち
帰宅した兄たちが
祖父母に電話をする姿が見える
あわてて母達は
子ども達に
救急の方法を教え
意識のないわたしが
病院へと運ばれる

死にたいのか死にたくないのかわからない

ただ今が耐えられないだけ
ただいまの声のために

処方された分量の薬と
コーヒーをがぶ飲みする午後

なにもいわないで
未来が変わればいいのに

支えにだけなれる
しっかりした母で
笑っていられたらいいのに
なにもできないまま
仮想オーバードーズの
闇の中



自由詩 仮想オーバードーズ Copyright はなもとあお 2013-01-09 14:55:54
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