灯台から見える海
within

断食すれば
恋する白うさぎ
念ずれば
花が咲き乱れるわたしの体
13番目の少年はうさぎ少女を探している
わたしは体と心をどこかに仕込んだ
髪結いの時間にカフェに寄る夜。
破綻する。
それに向かって特攻。
ぐるぐると回りながら昇ってゆく感覚に
私は蛇を思い出す。

失われたシニフィエ。
光。雪。発光。白色。仄かな。
どこまでも、どこにでもある、私たち。
兆し。火花のような瞬き。
目を、閉じれば、永遠。
絶え間ない、潮騒のような、無限性。

荒野は広がる無限の六畳間。
つまりは安寧のもとに
帰りたいと願う少年山羊。
血で毛を染めて
森を出る
幻の海を見る

犬は今夜も宿を探す
犬は今夜も誰かに吠える
犬の命はこれまでさ
忘れ去られて野垂れる運命
さだめ悲しく誰が歌う

無人駅で一人待つ
またひとり、旅人がやってくる
通り過ぎる列車の轟音と風圧に砕かれ
何かに負けた気がしてしまう
風に流されて
紙ふぶきのように
ちぎれてしまう

どこまでも連れて行っておくれ
おくれ、私はどこまでも
逃げていくことに疲れるまで
今の風を捕えよう
今日の風がだめなら明日の風を待とう
鉤爪(かぎつめ)で傷を残すために
風を読む。待つ。


自由詩 灯台から見える海 Copyright within 2013-01-05 17:53:18
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