風光
こしごえ




ごちそうさま
長く永い みちのりでありました。
ひさしの
蜘蛛の巣ごしにみえる
青空は澄んで高く
深まってゆく秋です。
すこしすこし
冬はちかい
手をあわせる
まなざしは仄暗く
さしこむ影は
じっとうごかずしっとりしています。
だれもいない
丘の上で。
雲ひとつなく
産声がそよぎ
引かれあって在る
ひとつの観念
海がないで遠くを
みつめる。果して
みえるか。光が増せば
影の濃くなる自分は
影である。独り
回旋塔の葬列をみおくる















自由詩 風光 Copyright こしごえ 2013-01-01 07:00:05
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