始まった 私とお前しか知らないしかし皆の為のプロローグ
血液は熱く輝きを放ち お前の体を真紅に燃やす
血液も凍てつくほどの戦慄を誘う眼差しと相対す夜
いにしえの化石が過ごす沈黙はその名を呼べば破られるだろう
「あの夕陽の下にエジプトがあるの」鳥取砂丘で君がつぶやく
この通りの家に住む者 正直物凡夫正直物殺人鬼
マネキンの手首を炒めてみたところで気分も晴れないし日も昇る
囚われた奴隷まどろみの中で孤独に耐えて瞳を燃やす
血も耐えて命も耐えてその後に何が生き残るか知っていた
立ち上がりこの大陸の向こうまで僕ではない僕に会いに行く
飢えていた思えば太古の昔から 本能よ今白亜紀に戻れ
「お名前は?」「貴方に付けてもらいたい」この物語の始まりとして
※この連作について
まず、非常に分不相応ではありますが、拙作を荒木飛呂彦氏に捧げます。
本年の活動の締めくくりとして、また、アニバーサリーイヤーとの別れを惜しんで、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」を意識した短歌連作を書きました。
「ジョジョの奇妙な冒険」は今年2012年に連載25周年を迎えました。創作に関してもそれ以外のことに関しても、僕がジョジョから受けた影響は計り知れません。
ふと思い立って書き始めたこの連作でしたが、どうにか2012年の内に完成させることが出来て、また、本年における活動の締めくくりをこのジョジョ短歌とすることが出来て、本当に嬉しく思います。拙い作品ではありますが、ジョジョへの愛と感謝だけはたっぷりと詰め込んだつもりです。
お読み頂いた皆様、ありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎え下さい。