LEDよ
もっぷ
LEDひとつに
頼るだけの夜の一人は
優しい時間を知っている
あのひとがくれて
のこして経った
時間もまた
優しくて
十二月だ
死をふたつ知っている
十二月だ
あした雪は降らないだろう
もしかしてあの
大晦日の蕎麦を聞き分けよく
旭庵で向き合って食べていたなら
いまは違ったきょうを
もどることのない夢は
自分で組み立て壊したキット
…ヒトのさがのような
雪降らないかな
運の悪さには抵抗をせず
明らめる
雲を追い冷気の行方
占い師よりも確実な確率
で(きっと
LEDよ
あの日には
雪が降っていた
あのひとは蕎麦を食べて年越しをしたいと
雪降らないかな
優しい時間を知っている
雪降らないかな