馬の腹
すみたに



こんな夢を見た。階段を登っていたら丁度降りてきた人とすれ違った。
一つ登り切ると踊り場に靴が落ちていて拾った。
また一つ階段を登ると赤馬が尻尾を振っていた。
馬を連れまた一つ階段を登る。
馬が嘶いた。
途端馬が倒れて死んだ。
腹が波打ち裂けると靴が沢山出てきた。拾った靴を捨てて階段を降りた。
一つ降りると赤馬がまた一頭いた。引き連れてまた一つ降りた。
馬が嘶いた。
途端馬が倒れて死んだ。
腹が波打ち裂けて沢山の足が出てきた。足を拾うとぐにゃりとして温かかった。
もう一度登るがもう靴はなかった。だから自分の靴を履かせてみたらぴたりと合った。


散文(批評随筆小説等) 馬の腹 Copyright すみたに 2012-12-28 01:16:18
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