◆ティーン・エイジャー
千波 一也



どうせなら
ハイなセンスで、ナンセンス
ダビデを車道に
縦列させたり



きらきらと
うたえる予感に誘われて
駈け寄ったのは
雨垂れの音



土産など
キスの対価に他ならない
だれしもオスは純銀製



ガラクタと
呼べるくらいに愛したら
時間は埃
清楚な埃



ニセモノと
恥じらいながらも信じてた
信じるほかに
すべなどなかった



泣かないで
ささいなしずくも鉄砲水
ぼくはすべなく
さらわれる花



星を吹こう
風の祭りを賑わそう
孤独が夜を突き抜けるまで



パラダイス
口に出すなら艶やかに
笑みをたたえて
つばさを広げて



いつの日か
戻ると契った馬たちの
背中がみえる夕凪の海



雪の香に
ねむり落ちたら月は舟
ゆらめくほむらに
呼応する舟



なつかしい
総てをここで脱ぎ捨てて
求めあえたら日付は変わる








短歌 ◆ティーン・エイジャー Copyright 千波 一也 2012-12-25 19:16:31
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【定型のあそび】