センチメンタル通り11番地
レイヨウ




灰色

色の名前として
美しい文字と響きだな、なんて
音も無く降る雨をみる


静かに電線が揺れ
雨のせいなのか風のせいなのか
実りの無い事を考える


すべてがモノクロームの中
赤い屋根だけ寂しく濡れる

少し目を引くその屋根だけ
攻撃されているように見えた


さああっ
車が通る
誰かを迎えに行くのだろう
ハンドルを握るその手を
あたためながら


雨はきらい
目を伏せたくなるわ

晴れもきらい
太陽なんて見れたものじゃない


きっと冬のせい
足の指先からしんしんと冷える
この部屋のせい


でも
何故か

命のあたたかさを感じる

雨からやさしさなど
微塵も感じないのに


綺麗な雨



(何十年後、その雨は私たちの敵になる)

(そんなことくらい解ってる)






自由詩 センチメンタル通り11番地 Copyright レイヨウ 2012-12-22 11:52:29
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