こぶし
十二支蝶

足を軸にして回れば、みたことのある夜が必ずくる
ついさっきのように俯けば 目の前に電灯が飛び込んでくる
歩いた先がどれだけ先でも 走った先がどれだけ流れても
晴れる日が いつも夜が打ち消していく

何もしないまま 暗いまま消えていく
なくなっていく、散っていく
積もっていく

大切な人の あの人の顔を窺いながら

何もしないまま だらだら
そのまま消えていく なくなっていく 散っていく
わかってる

足を軸にして回れば、踏ん張った土は捥げていく
みたことのある暗闇が必ず飛び込んでくる
俺は英雄 誰の指図も聞こえない

足を軸にして回れば、誰にでもなれる
どろどろに溶けた瞳で 大切な人に嘘を吐く
今日も明日も必ず燃えたぎる 


自由詩 こぶし Copyright 十二支蝶 2012-12-15 17:21:35
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