持久走による世界の捕え直しのためのエスキース(習作)
N.K.

息が上がる
罰ゲームのように選手になった
中学の時の駅伝大会の思い出が甦る
襷は受け渡されていた
持久走は苦手だったが
途中で放り出すわけにはいかなかった

息が上がる
今日襷は受け渡されていた
持久走は得意ではなかった
娘の走りが重なって見えた

受け渡していた
二重らせん構造の襷やら
内面化されつつある
行動様式の襷やら
声援と共に
息の上がる冬の校庭で
コース脇のあちらこちらから

受け取っていた
紅白帽子の子どもたちは
一人ひとりのペースで
親たちを残して
傍らを走り抜けて行く

取り換えは
利かない現在から
否応なしに
襷を引き継いだ
一人ひとりの
未来へ



自由詩 持久走による世界の捕え直しのためのエスキース(習作) Copyright N.K. 2012-12-11 23:18:53
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