鈴置友也

めざまし時計の音がいつもより二分ずれ
階段をころげ落ちる木の葉が回る
床に面した開き扉と
射しこんだ光線のかもしだす朝
洗濯したてのシャツをさっさと着替え
喉に通らぬパンを無理に押し込んでかけゆく。
流動する大気を肩に浴びてひらめく白
遮断機の裾でたなびくゼラニウム
鉄線を切って進む銀の車輪の朝。
蒼穹は高くふかく高揚し
鮮明な光の束が肌の神経を尖らせる朝。
つめたい風が丘陵にさしかかるぼくの耳をとぎすまし
はるか半球先の地平の知覚をふぃーるした。


自由詩Copyright 鈴置友也 2012-12-09 12:30:57
notebook Home 戻る