近代漫才の変遷〜ピン芸〜
TAT

 皆さんこんばんわ。カラス田カァもとい、ファルコン・ファル男です。さて脈々と細々と書き継いできたこの散文シリーズもついに三回目とか四回目とか何かそんな感じです。初めはTAT名義で書き始めましたこのシリーズですが、パスワードが忘却の海に沈んで後は名前がアオレンジャーの本名に変わったりしながらすっかりご無沙汰しておりまして(結局今は名前がいっぱいあるから『イッパイアッテナ』に成りました。と金ちっくに)、『次回は松本人志と千原ジュニアに見るミック・ジャガーとスティーブン・タイラーの関係性です』とか何とかぶち上げてから既に一年以上経った気もしないでもないですがLSDの幻聴の如くにフアンの声が朧にしたので再びここに筆をとります。『ほら、フアンって素敵やん?』としゃくれた長谷川公彦被疑者の呟きに支えられながら。売笑婦と道化は人間の起源からあったシゴトです。ですから僕はそれについて考え尽くしたいし書き尽くしたいのでしょう。後、倍賞美津子はアントニオ猪木の嫁で、サクラの姉です。サクラの兄は車寅次郎で寅次郎は佐藤蛾次郎の頭をたまに叩きますが蛾次郎は佐藤隆太の父なんです。僕ですか?呑んでますよ勿論。
 さてピン芸について。現在の日本のテレビ情勢に鑑みると、やはりコンビが優位に思われます。ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、とんねるず、ロンブー、ナイナイ。大体コンビです。遡って、さんま、タモリ、鶴瓶まで行くと今度は『ピンでも行けるんじゃね?』的な印象も受けますが。ただこれは『我々の世代がコンビ芸を要求する世代にたまたま生きている』と捉えても良いかと思われます。何の分野でも適応可能な『時代は螺旋にループする』という法則に当てはめると、劇団ひとりやバカリズムといったピン芸次世代大御所芸人の萌芽も確認可能だからです。(鶴瓶がビッグネームかどうかの議論は割愛します)
 ところでここに面白いデータがあります。日本とアメリカで成功したコメディアンを比較してみると、絵に描いたように真逆のデータが出るのです。売れた芸人の発祥率。【ピン芸・22%。コンビ芸・78%】これがアメリカでは逆になります。レニー・ブルース。エディ・マーフィー。ジム・キャリー。みんなピン芸なんです。チャップリン、キートン、ロベルト・ベニーニ。コンビで売れたのってブルースブラザースぐらいです。つまり日本で『ピン芸人は不利だ。片方がふって、もう片方が落とすコンビ芸の方が大衆にキャッチーに届くし、売れる』と言われている法則は向こうでは当てはまらない訳です。ね?面白くないですか?『でもアメリカのお笑いで笑った事ないぜ?向こうの笑いは遅れてるんじゃないの?』イエス、オフコース。笑いは弱者の砦です。強い者はそもそも道化る必要がない。故に、日本人やユダヤ人は卓越した笑いのスキルを持っている。それは確かにそうです。しかしこうも反論したい。アメリカにおいても電波に乗って、いわゆる『無難な売れ線』になれないレベルのコメディアンの中には無茶苦茶面白いのがいる、と。
 大統領が変わってから銃の規制がうるせぇが、俺に言わせりゃ簡単だ。銃を禁止するとか未成年に売らないとかは馬鹿げてる。銃はそのまま。弾丸の値段を上げりゃあいい。一発100ドルぐらいに。そしたらスラムの喧嘩も変わる。ヘイユー!てめぇぶち殺すぞ!言いか、もう一度同じ事言ってみろ、このマグナムで脳みそぶちまけるぜ。いいか、一回しか言わねぇぜ?、、、、、。貯金するぞ。、、、、、、。俺が貯金しない内に今の言葉を取り消せマザーファッカー!強盗も変わる。フリーズ!!レジの金を出せ、殺されてぇか!よーし、よしよし動くなよ、ガタイの良いダンナ!ぶち殺されたくなけりゃあ今すぐレジの金をよこせ!そしてその金でこの空っぽのリボルバーに店の弾丸を詰めな!
 最初見た時にこれは落語に近いと思いました。実際、アメリカという国は流民の集まりで歴史も浅い。前述のネタをやっていたのはウィル・スミスとジェロを足して二で割ったようなヤングでハンサムなニグロでしたが、彼にぼんやりと桂や林家の一門の始祖足り得る奔放で無垢なオーラをも感じ取りました。あくまで私見ですが。マイノリティがやる限り、笑いに国境やレベルは存在しないのではないか。そうも思いました。『ピン芸は売れない。ピン芸は欠陥を内包している非既製品だ』そんなものは嘘です。
 そんな訳で。昨今は色物や一発屋も多いですが、そんな中でもテレビを見ていて知らないピン芸人が出てきた折にはピーター・ラビットにサラダの最後のレタスの一枚を残してやるようにリモコンを換える手を一瞬緩めてやってください。それが今回の散文の趣旨かつ種子です。次回は『都市伝説!しの法則』をお送りします。
 PS・前述のデータ云々は嘘です。捏造しました。あと、言ってる僕ですが、スギちゃんだけは許せません。全っ然、面白くない。


散文(批評随筆小説等) 近代漫才の変遷〜ピン芸〜 Copyright TAT 2012-12-08 21:33:24
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