音楽に触れる
ヨルノテガム



 月や星を手に取り転がし 口へ入れて吐き出し、また口の中で転がす  よく泳ぐ魚は海面を境に映る月の遠く忘れられない記憶たちだ 波風模様をつけた砂丘は 旅人の足跡止まる、長編の楽曲をのせた遥か線譜――――― 月の夢、月のおはなし、千年の休符、デジャブのように訪れる微生物や虫との遭遇は、引き返してリピート繰り返しの記号である  植物の泡、立ちのぼる鳥の視点、神の使いとして。報告するのは水の命を運ぶ生物たちの因果やキスや。差異を認め(喰い喰われ)、変身変異してゆくまるで地下水から雲に至る世界世界の旅行、時は流れ 横断や縦断やキミの隣りや、よく知っている誰かを思い出せないもどかしさを、謎めいたもどかしさを 歌声へと、(誰の?) はじめて聞く音や調子が美しく懐かしい、懐かしい瞬き、またたきの日々、花の揺れた駆け足(誰が?) せまりくる去ってゆく ものは ひとつと言わず ふたつみっつ、よっつ5つむっつも、歯車が只今 噛み合ってしまった時空の悦びを、時の止まる扉の前で 入り口や境目の、迷子を踊る。 踊って止まって歩んで過ぎるテーブル。――――― 音楽は始まり、(終り?) 音音は重なり(楽楽も重なり) 新たな情報を書き換えられて(書き加えられて) 世界(新しい)を股にかけてゆく 音楽を聴いていると違う次元での「私」が私と会う予感が確かに湧いてくる もしかすればそれは私と「似たひと」なのかもしれないが

 さっき気づいたんだが 股という字と服という字はとても似てるネ! それはさておき スーパーの食料品の数々を眺めているとこれだけ大量の食べ物を消化する胃袋ってスゴイなーって感心する。 帰りに、建物を覆うくらいの巨大な胃袋が 頭上に もぞもぞ動き出し 圧倒させられていると捕まった






自由詩 音楽に触れる Copyright ヨルノテガム 2012-11-30 05:13:25
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