瞑想散歩
服部 剛
何処へ行っても
同じような人間ばかり住んでおり
同じような村や町やで
同じように繰り返される日々――
旅を求める私の道は
人が時空と因果の外へ飛翔する
あの瞬間
夢と現の境界線をゆきかう
自由な世界に、今日もたゆたう
慣れない土地に舞い降りて
すぐに迷子になった私は
朧な瞳のレンズを絞り
まっすぐ何処かへのびる道をぼうと視て
ひとり瞑想に耽るのです
あ・・・一匹の黄色い蝶が
生垣と生垣の間の道から
ゆうらり、空へ――
※この作品は萩原朔太郎の短編小説「猫町」を
詩として書き変え、アレンジしたものです。