:detour
プテラノドン
プロペラは淡くめぐり
煙を追い出す、雑木林に目をやると
(野良犬にこじ開けられた)
トタン塀の隙間から人影のような雑草が
生えていて
風が吹くと意味もなく揺れる。くすんだ
ビニールのコルセットを巻いた
ツルバラと一緒に―
キャラメルアンティーク、
母の誕生日にと
二人で選んだものだった。
僕らは信号機を前に、幾度となく
首を捻った。庭園内でもそうだった。
咲き誇ることを予見させるのに十分な、その
翼を閉じた無数の蕾に顔を近づけ
帰宅したのか、そうか。
自由詩
:detour
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プテラノドン
2012-11-18 23:46:20
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