ノンレム
由比良 倖

寂しくて
部屋のにおいさえも嗅げない
煙草が
冬の匂いと混ざり合って
僕は
どんなに遠くを
迷うだろう

少年だったころ
僕は少年宇宙飛行士でした
その後
記憶を消されたのだけど

地球は
傾いている
それだから
窓も揺れる

僕は少しずつ消失していきます
すきま風も吹きます

僕の手は
汚れているので
切り落とそうと想います
寂しいのです


自由詩 ノンレム Copyright 由比良 倖 2012-11-14 21:19:23
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