肉割れ
花形新次
あたしの皮膚に
刻まれた
この傷跡は
あんたが残していったもの
あたし
あんたが好きだった
あんたが死ぬほど
好きだった
あんた好みの男に
なりたくて
あんたが
デブ専だって
聞いてたから
あたし
毎日トンカツ定食
ライス大盛り
でも
あんた違ってた
デブ専なんかじゃなかった
だから
あんたに罪はない
そんなの分かってる
でも
あたし
嫌われるの承知で
言っておきたいの
この傷跡
この肉割れは
あんたが
残していったものだって
それだけは
覚えていてって
自由詩
肉割れ
Copyright
花形新次
2012-11-13 21:31:54