16:00から17:00
かんな

2012/10/23 16:00

外は雨。風が強く吹いている。
低気圧の発達。
積乱雲。現在は流動していく。
どこまでも好きに。
窓から見える風景が滲む。
遠い記憶が滲み。
石田衣良の
「ラブソファに、ひとり」を傍らに置く。

君が働いている姿を想像して
ひとり帰宅し
ひとり夕食の支度をし
ひとり食べ
ひとりマスターベーションをすることを想像する。
眠れないだろう今夜は。
ぬくもりが恋しい。

言葉を紡げなくなるのは苦しい。
同じ言葉を繰り返してもいい。
大切なこと。
残しておきたい記憶の破片。
「ヴォイス」ポルノグラフィティ
iPod nanoから流れるミュージック。
「僕の名前を呼ぶのは誰?」
きっと私。君
の名前を苦しいくらい呼んで。
愛が溢れている。

2012/10/24 06:50

肌寒い朝。うっすらと風が流れる。
遠くの山のスキー場のラインが見える。
今年の冬もやって来るのか。
沢山のスキーヤーが滑降する。

通勤の車がいくらか走っていく。
憂鬱そうな走りをして、週の真ん中を迎えた人々。
通学の高校生が通り過ぎていく。受験生だろうか。
そういえばセンター試験の申し込みも終えて。
毎週末の模試に追われてるかもしれない。

窓際は空気が冷たい。
君が恋しくなって。

2012/10/24 12:05

風邪を引いたらしい。
君にキスが出来ない。
思考がぼんやりとする中。
真っ白な雪を思い浮かべる。
ギンガムチェックの服を着る。
君の好きな赤がベース。
サンタクロースにでもなったみたいだよ。
なんて嘘吹く。
今年の誕生日プレゼント。何かな。
君には大した贈り物なんて出来なかったけれど。
いつもいつもありがとう。

2012/10/24 12:53

椎名林檎を聴く。
どこか遠くに、鬼束ちひろを聴く。
高校生の私が自慰をする。
夕暮れの電車内で沈む夕日に海をおもう。
目黒の庭園美術館を思い出す。
精巧なガラス細工と壁紙を思いだす。
記憶が飛ぶ。
しあわせが何だかわからずにいて。
しあわせだと自分を疑わなかった私がいる。
君の黒色の瞳がいぬいた。ハート。
恋におちました。

2012/10/24 16:23

「ラヴソファに、ひとり」を読み終えそうだ。
君が恋しい。
抜け出してしまいたいとさえ思う。
胸が苦しい時期にさしかかる。
会いたいとわがままになる時期にさしかかる。
いつも空は青く。私は寂しがり屋だ。
いつも雲は透過され、君の居所を指し示す。
夕焼けがまぶしい。
焼け焦げたカラメルプリンを思い出す。
風邪気味の喉は、張り裂けそうに名前を呼ぶ。


2012/10/24 17:26

読み終えた。ふっと一息つく。
短い人間関係のように。ある種、濃密だ。
夜が来た。昨日の寂しさをは裏腹に。
今日の寂しさは特大で、私は体を持て余す。
ラルク・アン・シエルを聞きながら。
いくもいかぬもどちらでも。
ただ抱き合いたい。君と。


2012/10/25 06:41

RPGのような夢をみた。
最初のレベルは運転免許証の色で決まる。
少し頭が重い。
現実が覆い被さるように。
お腹が空きました。
食べたいのは君に限る。
好きならば好きと言おうか。
涙の源泉に眠っている感情を掘り起こして。
キスしたい。
水面に映るきもちの傾きをとらえて。
肌寒い、温もり。

2012/10/25 12:01

小さなベールがはげたように。
薄皮が向けたように。
ささくれだった気持ちが収まりつつある。
外出が決まったからだろう。
「スローグッドバイ」の2話目。
「十五分」を読みふける。
いくつのも時代の陰でことばは生まれ、
光を浴び、また死んでいき。
そして時代を経て、再生へ向かう。

2012/10/25 13:17

ずっとB'zを聴いていた。
眠たいような
眠りたくないような時間の中で。
私が私であるために必要なことを探していく。
惰眠の中には。
いくらかの夢の欠片と。
いくらかの現実のスパイスが混じる。
いや交じる。
人々の人生は
混じることより交じることの方が多いのだろうか。
トライアル・アンド・エラー。
私はマウスじゃない。
欲しいものの道順など覚えない。

2012/10/25 15:55

うさぎは寂しがり屋。
寂しいと吐いてしまう。私と同じように。
月夜を見上げる。
そんな機会も少なくなった。
早寝早起き。
草花のように自然に身を任せる。
まとまったものじゃないと書き出せない。
なんてことはない。
人は完璧さを求めながら常に不完全だ。
「フラワー」KinKiKids
愛は花というよりは、何だろう。
考えてしまう。愛は透明な気がして。

2012/10/25 17:57

居場所が薄い。
苦しくなってしまう、どこか遠くへ行きたい。
「Tiger in my love」鬼束ちひろ
言葉の薄い壁の中に小さな穴が開いて。
空気が漏れでているような気がした。
ただ君に会いたい。
漠然と不安になる。ここにいると。
何をやって、何を考えて、何を実現するのか。
私とは何なのか。
馬鹿みたいなモラトリアム。
平気な顔をしないで。
崩れた笑顔にキスしたい。

2012/10/26 15:27

思考がどんよりとして重たい。
「Flavor of life」宇多田ヒカル
君の匂いを思い出す。
今はあまり筆があまりすすまない。
行ったり来たりのきもち。
曇天の空の下。
君に誓おうか。

2012/10/27 08:12

朝起きると風は渦を巻いていた。
君に電話をかける。
釣りをしていると。
恋を釣っているのかと心配になった。それだけでは。
それだけではなくて。
独占したい!いやそうではなくて
すべてを抱きしめていたいのだ。
濁流にのまれたイカダを助けたのは
静かな水の流れ以外の何ものでもない。
激動のきもちのぶれを君というゆっくりとした
流れの中に落ち着かせることができた。
愛と呼びたい。

2012/10/28 06:59

窓を強い風が打つ。
少しばかり荒れた天候になりそうだ。
冬の到来。
何が凍りつくわけでもない。
あたたまらないきもちなどない。
ひえていかないきもちなどない。
愛は使い捨てのホッカイロなどではないだろう。
もっと聡明で。
もっと堅実的に積み上げられた建築物のように。
確固たるものだと。
願いたいのだ。祈りたいのだ。

2012/10/29 08:09 

雨の降り出した朝。
あつい雲の層。
カーテン越しに浴びるゆるやかなひかり。
出会ってしまいたい。
グラスを傾けて早朝の乾杯。
中身は色濃く抽出されたエスプレッソ。
ホーマーで泡立てたミルクを注いで。
ラテアートでハートを描く。
昨日は特別な日で。
私と君は結ばれた。毎日が特別なのだ。
呆れるほど抱き合い。飽きない。
そのしあわせな事実に乾杯。

2012/10/29 17:00

夕刻の雨。
聡明で曖昧さを打破するような強さ。
日常が混沌とする中で、唯一心地よい。
本棚を羅列の一部に目を留める。
「てのひらの迷路」石田衣良
迷宮にようこそ。
生まれたての赤ん坊につぶやく。
君の生きていくこの世の中の混沌を。
どうかしなやかに。
生き抜いてほしい。





自由詩 16:00から17:00 Copyright かんな 2012-11-03 17:03:58
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